いってらっしゃい、主の平和の道を
「だから、あなたがたは行って、すべての民をわたしの弟子にしなさい。
彼らに父と子と聖霊の名によって洗礼を授け、
あなたがたに命じておいたことをすべて守るように教えなさい。
わたしは世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいる。」
新約聖書 マタイによる福音書 28章19節-20節
皆さん、おはようございます。日曜日の朝、いかがお過ごしでしょうか。
【本論① 羊と羊飼い:神様とわたしたちの関係】
毎週一回、保育園の朝礼で子どもたちにお話をする機会をいただいています。朝礼では毎回、子どもたち一人ひとりの名前を呼ぶのですが、子どもたちは自分の名前を呼ばれると、元気に挨拶をします。その元気な声に、お話をする私も大きな元気をもらって帰ってきます。去年は「どうぶつシリーズ」でお話をしたのですが、子供達も「今日は何の動物?」と、興味津々で聴いてくれました。ある日、羊をテーマにお話をしたときのことです。お話の準備のために、羊の特徴についていろいろ調べてみました。羊は臆病な性格で、警戒心が強く、一匹ではなく群れで生活をするなど、インターネットで検索しますと情報がたくさん出てきます。その中で、羊がもつ、一つの特徴が心に留まりました。羊は羊飼いの声を聞き分ける、というのです。得意なことよりも苦手なことの方が多いように見える羊にとって、これは他の動物には大きな特徴だな、と感じたのです。イエス様は神様と私たちの関係を、よく「羊飼いと羊たち」に喩えられました。ある聖書の御言葉で、イエス様は「わたしは良い羊飼いである、わたしは自分の羊を知っており、羊もわたしを知っている」と弟子たちに教えられました。神様とわたしたちの関係は、羊飼いと羊のような、特別で親しいものであると教えられたのですね。
【本論② 弟子たちを遣わす主イエス】
先ほどお読みした御言葉は、イエス様が弟子たちを遣わされた時の御言葉です。弟子たちはイエス様が捕えられた夜、イエス様のもとから逃げ去ってしまいました。まるで臆病な羊が怯えてその場から逃げ去るように、散り散りになっていました。彼らが逃げたのは、怖かったからに他なりません。彼らはイエス様と共に歩むことを喜び、「イエス様に従う」と自信をもって生きていました。けれども、イエス様が捕えられたあの夜、彼らの自信は恐れの中で崩れ去ってしまったのです。しかし、そんな彼らの弱さを、イエス様はご存知でした。彼らの弱さをすべてご存知の上で、イエス様はずっと前から、約束を与えておられました。「人の子は、三日目に復活される」それは再び、彼らをご自分のもとに招くための約束でした。そして三日目に復活されて弟子たちに「ガリラヤで会おう」と伝えた主イエスは、約束どおり再び弟子たちと会われたのです。
イエス様と再会した弟子たちは、どんな気持ちだったでしょう。嬉しい気持ちがある一方で、後ろめたさも覚えたことでしょう。しかしそんな弟子たちに、イエス様は近づいてこられたのです。そして彼らを責めるのではなく、優しく語りかけられます。その優しい語りかけの声を、弟子たちは確かに聞き分けたことでしょう。
【本論③ わたしはいつもあなたがたと共にいる】
イエス様は弟子たちに「あなたがたは行きなさい」と命じられました。そして、彼らに命じておられた教えをすべての人に伝えるよう、命じられます。イエス様のこのご命令は、弟子たちに重く響いたことでしょう。恐れと不安のために躓いた自分が、その使命を受け止めることができるのか。彼らの心には、依然として恐れと不安があったことに違いありません。しかし、イエス様はただ彼らに「行け」と命じられたのではありません。すべてを命じられた最後に、イエス様は「わたしは世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいる」と確かに約束されたのです。
イエス様は弟子たちの賜物も、そして弱さも、すべてご存知でした。イエス様のこの言葉は彼らを「遣わす言葉」であり、そして「いつも共にいる」という約束です。後の時代、弟子たちの宣教の歩みは、決して易しいものではなく、むしろ困難なものでした。しかし弟子たちは確かに、イエス様が共におられる「平和の道」を力強く歩んでいったのです。
【結び:遣わされる道は主が共にいる平和の道】
イエス様は、弟子たちを遣わされました。今を生きるわたしたちも、この御言葉によって、それぞれの歩みへと遣わされていきます。今朝も、教会では礼拝がささげられています。そこには神様の御言葉の養いがあり、安らぎがあります。礼拝の最後、「祝祷」という時間があります。それは神様が私たちをそれぞれの日常に遣わしてくださる時間であり、私たちの歩みが、神様が共におられる平和の道であることを受けとめる時間です。わたしたちの歩みを力づけるその礼拝のひとときに、どうぞ足を運んでみてください。今週一週間の皆さんの歩みに、神様の祝福と平安が豊かにありますように。
いってらっしゃい。